はじめる時に情熱なんて、なくていい。
(『スタンフォード大学 夢をかなえる集中授業』より)
やる気を引き出すのに、もっとも重要でもっとも効果的なことは、夢を語ること。
では、夢がみつからない、やりたいことがわからないという子ども達は、どうしたらいいのでしょう。
みなさん、溶接は好きですか?
子ども未来がっこうでは、
- 誰もが才能を持って生まれてきている
- 才能 = 強みとは、そこにワクワクやエネルギーが湧いてくることが条件
- 親は、才能を見つけて伸ばすサポートをしてあげて欲しい
というお話をしています。
先日の親子クラスで、参加していたおかあさんから、こんな質問を受けました。
「子どもがあまり何にも興味を示さない、やりたいことがない時は、どうしたらいいのでしょう?」
誰もが才能(強み)を持っている、かつ、
強みにはワクワクやエネルギーが湧いてくることが必要条件と言っているのに、
ワクワクすることがない子どもがいる。
これは一見、矛盾しているようですが、そうではないのです。
みなさんのお子さんは、溶接は好きですか?
うちの当時小2の娘は、インフルエンザで自宅療養をしていました。
幸い、発熱した翌日には熱も下がり、割りと軽く済みました。
その時の「元気になったら、何がしたい?」の答えは、
「溶接!」
たまたまテレビのDIYを紹介するコーナーで、溶接をやっていたそうです。
その直後には、「マグロ釣りたい!」とも。
それも、その日にテレビでマグロ釣りが映っていました。
娘が、溶接をやりたい!マグロを釣りたい!なんて思っていること、初めて聞きました。
当たり前です。娘は、そのテレビを見るまで、溶接のこともマグロ釣りも、その存在すら知らなかったのですから。
当然のことですが、知らないことには興味は湧きません。
おそらく、溶接やマグロ釣りに興味がある小2女子なんて、一握りでしょう。
だって、小2女子のほとんどは、溶接もマグロ釣りも知らないんだもん。
判断するということは、知っているものの中からの選択をすること
今日の晩ご飯の献立は、何にしますか?
カレーライス?
ハンバーグ?
まんばのけんちゃん?
今これを読んでいただいている方の中で、
「そうだ!今日はまんばのけんちゃんにしよう!」
って思った方は、何人くらいいたでしょうか。
大抵の方は、まんばのけんちゃん?誰?
って思いましたよね?
まんばのけんちゃんは、私のふるさと香川県の郷土料理です。
香川にご縁のある方以外は、
「そうだ!今日はまんばのけんちゃんにしよう!」
とは思わなかったでしょう。
(香川県民だって、そう思わなかった人も多いはず。)
なぜかというと、
まんばのけんちゃんを嫌いだからではなく、知らないから。
香川へ旅行に来る方は、たいてい
讃岐うどんとか骨付き鳥とか、有名なものを食べます。
それは、「香川に行ったら何を食べよう?」と考えたときに、
【知っている香川の食べ物】の中から、選ぶことになるからです。
まんばのけんちゃんは家庭料理なので、お店ではお目にかかることは少ないです。
だから、知られない=選択肢に入らない。
判断の幅を広げるには、選択肢を増やすしかない。
だから、たくさんのものを見て聞いて体験していくことが、夢をみつける近道なのです。
“やりたいことがない子ども”は、実は“まだワクワクすることに出会っていない子”
大丈夫。これから出会います。
いろんなことを見たり聞いたり、行ったり食べたり。経験のシャワーを浴びてください。
そして、知っているというだけで、好きか嫌いかは、判断できません。
溶接は大好きですか?
マグロ、どうしても釣りたいですか?
まんばのけんちゃん、ものすごく食べたいですか?
何かを経験する時、はじめから
「すごくやりたい!」という気持ちはなくても大丈夫。
私が読んだ本『スタンフォード大学 夢をかなえる集中授業』には、
はじめる時に情熱なんて、なくていい。
とあります。
夢中になる・熱中するのは、ある程度やってみてから。
やり進めていくうちに、それが面白くなってきたら、そこに情熱が湧いてくるのです。
好きなこと、ワクワクすること、夢をみつけるには、ある程度やってみること
この【ある程度】が大事。
好きか嫌いか、わかるまでやってみる。
ちょっとやっただけでは、自分がそれを好きか嫌いかは、わからないのです。
そのことの【面白さがわかるまで】やってみる。
そうすると、わくわくすること、自分の強み、夢が見えてきます。
いろいろなものに触れて“選択肢”を増やし、少しでも興味の沸いたものを経験してみる。
そして、面白さがわかるまでやってみる。
はじめからMAXでわくわくしていなくてもいいのです。